特別方式の遺言

行政書士

まさ福祉行政書士事務所の中村です

遺言書の種類に、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言という言葉を耳にしたことが
あるかもしれません。

ただ、様々な事由により、上記の遺言を用意できておらず、速やかに残しておきたい
緊急的なケースも少なからず考えられます。

そこで今回は、特別方式の遺言について紹介致します。

1,死亡の危急に迫った者の遺言
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者

証人3人以上の立会をもって、その1人に遺言の趣旨を口授

口授を受けた者がこれを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせるか
閲覧させ、各証人が承認し、署名押印します

※口が聞けない者は、証人の前で、趣旨を通訳人の通訳により申述し、口授に代えます
※耳が聞こえない場合は、筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の
証人に伝えて、読み聞かせに代えます

上記は、遺言の日から20日以内に、証人の1人又は利害関係人から
家庭裁判所に請求
して、その確認を得なければ、その効力を生じません

2,伝染病隔離者の遺言
伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所にある者

警察官1人及び証人1人以上の立会をもって遺言書をつくります

遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名押印します

3,在船者の遺言
船舶中に在る者

船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会をもって遺言書を作ることができます

遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名押印します

4,船舶遭難者の遺言
船舶が遭難した場合に、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者

証人2人以上の立会をもって口頭で遺言します
※口が聞けない者は、通訳人の通訳によりこれをしなければなりません。

証人がその趣旨を筆記して、これに署名押印します

証人の1人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求して、
その確認を得なければ、その効力を生じません

5,外国に在る日本人の遺言の方式
日本の領事の駐在する地に在る日本人が、公正証書又は秘密証書によって
遺言をしようとする時は、公証人の職務は領事が行います。

2~4までの場合で、署名又は押印することのできない者がある時は、
立会人又は証人は、
その事由を付記しなければなりません
1~4までの遺言は、遺言者が普通の方式(自筆証書遺言、
公正証書遺言、秘密証書遺言)に
よって遺言をすることができるようになった時から6か月間生存するときは、その効力を生じません。

特別な遺言は、民法で定められているものの、条件がそろわなければいけませんし、
ハードルは低くないと考えます。

元氣なうちに、遺言書を作成することで、遺されるご家族へ、
過度な負担がかからない準備したいものです。
お近くの専門家へ相談することで、安心への1歩となるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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